加治木の中核病院として24時間の救急医療、生活習慣病の治療に取り組んでいます。

医師の対談

「医療の原点は救急にあり」が私たちの原点です。

理事長 妹尾 包人 大井病院副院長/矢野 謙二

七徳会理事長 妹尾包人/大井病院副院長 矢野謙二

 




-大正15年開院とのことで、歴史のある...

【理事長】
開院85年になります。先々代から続いています。

ー当初から、『医療の原点は救急にあり』との理念を掲げていらっしゃったのでしょうか?

【理事長】
いや、理念としては最近です。慢性期の病状を扱う「ザ王病院」急性期の病状を扱う「大井病院」とを医療法人七徳会として経営していますが、大井病院では、地域の住民の健康を考えると”救急”が一番の基本であろうと考え、理念として掲げています。

昨今の診療報酬改定などで、救急など人がたくさん必要な、マンパワーが必要な医療現場はコスト的に非常に大変になりました。救急をやればやるほど経営的には苦しくなる状態になったわけです。

だけれども、それでもやはり救急は医療の原点であるとの考えから、『医療の原点は救急にあり』と理念に掲げています。

急性期、救急の患者様を扱う当院と慢性期の患者様を扱う「ザ王病院」とトータルで、二人三脚で考えていけるのが当院の利点だと考えています。

-24時間救急患者受け入れ態勢を取る上での苦労があると思いますが...

【理事長】
医局制度の改革などで救急医療、地域医療に携わる医師の数が減ってきていますので、医師の確保については厳しい状況にありますが、鹿児島大学医学部と協力しながら現在の体制を維持しています。

-看護師の確保ではどのような対策をとっておられるのでしょうか?

【副院長】
看護師の確保の上で病院独自の奨学金制度があり、龍桜高校、加治木看護専門学校に奨学金がありますよとご案内しています。また働きながら夜間、通信教育で正看護師を目指しているものも居ります。

将来、看護師になられる方たちが当院へ就職していただけるような、いろいろな形でバックアップを行っています。

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地域とのつながりですすめる、最先端の糖尿病治療。

院長

-生活習慣病の治療についても注力されているとのことですが...


【副院長】
主に糖尿病です。糖尿病に関しては、霧島姶良地区で病診連携としてネットワーク化を、県、医師会が連携して推進しています。地域に核となる拠点病院を作り、他院、診療所との連携を図っていく試みです。当院には糖尿病の専門医もいますので、このネットワークにも力をいれていこうと考えています。

【理事長】
この地域で糖尿病の重点的治療が出来る病院は少ないようで、地域の他院の先生方、クリニックの先生方からも高い評価を頂いています。

【副院長】
これまで、地域の糖尿病治療に関する情報は余り無く、そのためにも地域の医療機関をネットワーク化していこうということです。

当院は、入院して血糖のコントロールが出来る環境がありますので、血糖のコントロールを依頼された場合は、理事長が主治医として患者様を担当する体制で対応しています。

【理事長】
糖尿病は治る病気ではない為、一度かかってしまうとずっと付き合っていかなければならない。それで、きちっと治療が出来る環境で、継続的に行う必要がある。

糖尿病は40歳以上は3人に一人はかかっているか、もしくはその予備軍である、といわれるほどポピュラーな病気で、生活習慣病というくくりの中でも代表的なものが糖尿病です。また、糖尿病にかかっている人は、認知症にもなりやすいというデータもあります。

-素人考えで申し訳ありませんが、
慢性的な疾患である糖尿病を急性期の患者様の治療にあたる大井病院で力点を置くというのは...

理事長

【理事長】
患者様が他の疾患で受診された場合に、糖尿病をもっている、もっていないで治療方法が変わるんですよ。
また、糖尿病が悪化した場合に患者様がこん睡状態に陥る場合がある。これはもう急性期治療の範囲です。

【副院長】
糖尿病性の壊疽で足を切断しなければならない場合など、重度の糖尿病疾患もあります。

-救急治療の範疇ですね。

【理事長】
糖尿病に関しては、大学病院とも連携し、最先端の治療を行っているという自負もあります。

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迅速な判断のため、放射線技師まで常駐する24時間救急体制。

-看護部としての救急医療に対する取り組みとしてはどのようなものでしょうか。

 

【副院長】
一次、二次の救急患者様を受け入れる体制、交代で常駐する体制をとっております。

また、看護師だけではなく放射線科の職員も常駐しています。緊急時はいつでもCTスキャン、MRIなどにも対応する技師が常駐していますので、迅速な病状判断ができます。そういう意味では救急体制は整っていると思います。当院は、必要な職種の人間がきちっと常駐しているという体制をとっています。

病棟のほうも24時間いつでも入院できるように体制を整えています。

データを見ると、霧島/国分からの救急の依頼もけっこうあります。霧島/国分地区で、満床で引き受けられないということも多く、そのような場合、当院へ依頼が来るようです。救急の患者様をお引き受けする地域の範囲が広くなってきています。
大学からの医師も当直されており、専門外などどうしても引き受けられない場合以外はお引き受けしております。

『医の原点は救急にあり』を理念として掲げている以上、医師/看護師/技師、それぞれ協力して取り組んでいます。

【理事長】
医療崩壊、救急の担い手が減ってきているのは実感としてあります。現在の体制の将来への維持には不安な部分もありますが、県・大学とも連携し、さまざまな努力で救急/地域医療の担い手の確保に努めています。

-そうであれば、なおのこと大井病院の救急に重点を置くという姿勢は貴重なものですね。

【副院長】
地域の医療を支えているのは、私どものような民間の病院であると思っています。


地域の患者様の暮らしを考えて取り組んでいること。

胃ろうについて

【副院長】
最近胃ろう造設を行う方が増えています。胃ろうとは、胃に穴を開けて(胃ろう)栄養を直接投与する方法ですが、そういう方がだんだん増えています。

脳梗塞など脳血管障害の後遺症などで通常の食事が出来ない方に行うのですが、加治木でも高齢者の方を中心に増えてきており、糖尿病を合併されている方も多い。

経鼻胃管栄養法のような鼻からチューブを挿入し栄養を投与するような方法では、介助者の負担が重かったり、患者様の動作が制限されたり、褥瘡(床ずれ)を起こしたりなどの弊害があります。

【理事長】
当院で胃ろうを造り、老人保健施設、介護老人福祉施設などで療養しながら、口から食事を取る練習、リハビリもしましょう、というような各施設間の連携を考えています。

【副院長】
PEG*1・在宅医療研究会というのがあって、他病院との連携を密にしましょうという動きがあります。当院でも今後の課題として考えています。

※1 PEG(経皮内視鏡下胃ろう造設術)

もの忘れ外来

【理事長】
いわゆる認知症の為の専門外来です。

認知症にもタイプがあって、認知症にはこの薬というのではなく、漢方薬も含めて使用方法がいくつかある。
それで、患者様の病態をわきまえた上で、お薬の使用法を考え、あるいは調節する。患者様ご本人もそうですが、ご家族の方にとっても、一緒に暮らしやすい状況を、出来るだけ長い間続けられるようにする。
認知症の症状の中にも他の病気が隠れている場合があります。それを見つけ出して対応し、本当に直らないアルツハイマー型認知症であれば、少しでも進行を遅らせるという考えで治療を行っています。

認知症は解明されていないことも多いのですが、糖尿病の方はなりやすい、高血圧の方はなりやすいなどだんだん分かってきています。

血圧の治療薬でも認知症になりやすい薬があります。ですので、認知症を発症しやすい年齢の方で、血圧の治療を行う場合にそのような薬をさける、というようなことも考慮しなければなりません。

そのような情報を集めて、患者様に質の高い治療を提供できるような形を考えています。

 

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